無花果の季節が終わりかけた頃、神の思し召しか、大好きな極早生蜜柑が少しずつ市場に出てくる
早生蜜柑よりも生育期間の短いものだ
母の実家は瀬戸内海を見下ろす丘にあり、蜜柑山がいくつもあった
今はもう野生化してしまったが、
秋から冬にかけて手指が黄色くなるまでとにかく蜜柑を剥いては頬張っていた
概ね果物の好みは(無花果以外)酸味の効いたもの!
だから蜜柑は極早生蜜柑
20年以上前から果物(トマトも含めて)に限りなく糖度を求め、とにかく甘いものが、或いは酸味のないものが主流になってきたのはとても悲しい
梨なら『20世紀』、、ガブリとかじってたまたま芯のあたりを口に含んだ時のあの酸味は洋梨には無い多果汁の上品な甘さの隠し味
柑橘の酸味とはまた一味違う
イチゴなら製菓材料として栽培されるようになり市場にはもう出回らなくなってしまった『女峰』
甘みと酸味のバランスが慎み深くて、これこそシャンパンに合わせたい苺だった
さてこの極早生蜜柑、やがて早生蜜柑に取って代わる前に箱買いして冷暗所に保存する
重なっているところは週一ペースで上下を入れ替え乾燥しないように、と手間をかけてやると年末まで持ってくれる
考えただけで口中に唾が溜まってきた